B故事・諺①-1
1.瓢簞から駒が出る。
(ひょうたんからこまがでる)
起こるはずのないことが起こること。
2.蛭に塩。
(ひるにしお)
蛭は塩をかけられると縮んでしまうところから、苦手なものを前にして縮み上がってしまうことのたとえ。
3.門松は冥土の旅の一里塚。
(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
門松を立てるごとに一つずつ年齢を重ねていくことになるから、正月の門松は一歩ずつ死に近づいていることを示すしるしであるということ。
4.自家薬籠中の物。
(じかやくろうちゅうのもの)
自分の薬箱の中にある薬のように、必要に応じて自分の思い通りに使いこなすことができるもののこと。「薬籠」は薬箱のこと。
5.人生、字を織るは憂患の始め。
(じんせい、じをしるはゆうかんのはじめ)
人は字を覚えて学問を勉強するようになると、いろいろな悩みや疑問を抱えて苦労するようになるということ。無学で何も知らない方が、かえって気楽であるということ。
6.有卦に入る。
(うけにはいる)
幸運に恵まれて、良い事が続くこと。
7.良禽は木を拓ぶ。
(りょうきんはきをえらぶ)
賢い鳥は、敵に襲われにくく、食べ物を手に入れやすい場所の木を選んで巣を作るという意味から。
8.瑠璃の光も磨きがら。
(るりのひかりもみがちがら)
どんなに優れた素質や才能を持っていたとしても、学問に励み修養を積まなければ、立派な人間にはなれないというたとえ。
9.羊を亡いて牢を補う。
(ひつじをうしないてろうをおぎなう)
失敗した後に、あわてて改善すること。また、失敗した後、すぐに改善すれば、災いや被害を大きくしないで済むということ。
10.杓子で腹を切る。
(しゃくしではらをきる)
できるはずがないこと、また、形式だけのことをするたとえ。
11.歓楽極まりて哀情多し。
(かんらくきわまりてあいじょうおおし)
喜びや楽しみが極まると、かえって悲しみの情が強くなるものだということ。
12.葦の髄から天井を覗く。
(よしのずいからてんじょうをのぞく)
狭い見識で大きな問題を論じたり、勝手な判断をすることのたとえ。
13.闇夜に烏、雪に鷺。
(やみよにからす、ゆきにさぎ)
真っ暗な夜の闇の中に黒い烏がいても、また一面の雪景色の中に白い鷺がいても、ともに識別しにくいことから、見分けがつかないことのたとえ。
14.衣鉢を継ぐ。
(いはつをつぐ)
学問や芸術などで、師や先人からその道の奥義を受け継ぐこと。
15.野に遺賢無し。
(やにいけんなし)
有能な人材がすべて認められ官吏となり、民間にはいないこと。その結果、政治がよく行われて国家ぎ安定していることをいう。
「野」は民間、「遺賢」は世に認められず、取り残されている有能な人材のこと。
16.大勇は怯なるが如く大智は愚なるが如し。
(たいゆうはきょうなるがごとくたいちはぐなるがごとし)
本当に勇気のある人はすぐに喧嘩をしたり怒ったりしないので、一見、臆病そうに見え、本当に知恵のある人は、知識をひけらかしたりしないので、一見、賢くは見えないということ。
17.逸物の鷹も放さねば捕らず。
(いちもつのたかもはなさねばとらず)
すぐれた鷹も空へ放たなければ鳥を捕らえないという意味から、どんなに能力のある者でも、実際に使わなければ何の役にも立たないということ。
18.鰯の頭も信心から。
(いわしのかしらもしんじんから)
鰯のようにとるにたらないものてわも、信心する者には尊いものに見えるということ。
19.烏鷺の争い。
(うろのあらそい)
囲碁で勝負を争うこと。碁の黒石と白石を黒い烏と白い鷺に見立てた言葉。
20.子供の喧嘩に親がでる。
(こどものけんかにおやがでる)
子供同士の他愛ない喧嘩にそれぞれの親が干渉し、親同士が憎んだり恨んだりすることから転じて、つまらないことに当事者以外がしゃしゃり出て、余計なことをする人の意味。