A故事・諺②-2
1.雪駄の裏に灸。
(せったのうらにきゅう)
長居の客を早く帰らせるまじない。
2.死は或いは泰山より重く、或いは鴻毛より軽し。
(しはあるいはたいざんよりおもく、あるいはこうもうよりかろし)
人は命を惜しんで犬死にしないようにすべき場合もあり、また命を顧みず潔く死なねばならない場合もある。その判断は、義にかなうか否かによって決すべきであるということ。
3.地獄の沙汰も金次第。
(じごくのさたもかねしだい)
地獄の裁きでさえ金の力で有利になるというほどだから、この世では金さえあれば何事も思いのままになるというたとえ。
4.鷺は洗わねどもその色白し。
(さぎはあらわねどもそのいろしろし)
生まれつきのものは、いくら変えようとしても変わることはできないというたとえ。
5.身から出た錆。
(みからでたさび)
自分の犯した悪行のために、自分自身が苦しむこと。
6.山葵と浄瑠璃は泣いて誉める。
(わさびとじょうるりはないてほめる)
山葵は涙が出るほど辛いものが上質であり、浄瑠璃も観客を泣かせるくらいの上手でなければ褒めたたえるわけにはいかないということ。
7.洛陽の紙価を高める。
(らくようのしかをたかめる)
著書が世の中の人々に称賛され、売れ行きがよいことのたとえ。
8.創業は易く守成は難し。
(そうぎょうはやすくしゅせいはかたし)
新たに事業を興すよりも、その事業を受け継いで守り育てていくほうが難しいということ。
9.富貴にして故郷に帰らざるは、繡を衣て夜行くがごとし。
(ふうきにしてこきょうにかえらざるは、しゅうをきてよるゆくがごとし)
功名をあけ出世したとしても、故郷に帰らなければ、誰も気づいてはくれないということ。
10.鉦や太鼓で探す。
(かねやたいこでさがす)
大勢で大騒ぎしながら、方々を探し回ること。
11.点滴石をも穿つ。
(てんてきいしをもうがつ)
わずかな力でも、こつこつと努力を続ければ大きな成果を得ることができるということ。
12.梨花一枝春雨を帯ぶ。
(りかいっしはるあめをおぶ)
一枝の白い梨の花が、春の雨に濡れているということで、美しい人の悲しむ姿をたとえた言葉。
13.素麺で首くくる。
(そうめんでくびくくる)
ありえないこと、できるはずがないことのたとえ。
14.骨折り損の草臥れ儲け。
(ほねおりぞんのくたびれもうけ)
苦労しても疲れるだけで、何の成果も上がらないこと。