A故事・諺①-3
1.蚤の息も天に上がる。
(のみのいきもてんにあがる)
蚤のような取るに足りないものでも、一心に努力すれば何事もなしとげることができるというたとえ。
2.煩悩なければ菩提なし。
(ぼんのうなければぼだいなし)
人間を悩ます煩悩も悟りの契機になるということ。煩悩も菩提とは一体であり、悩みがあって初めて悟りもあるということ。
3.嘉肴有りといえども、食らわずんば旨きを知らず。
(かこうありといえども、くらわずんばそのうまきをしらず)
いくらおいしいごちそうがあっても食べてみなければそのうまさはわからないの意から、聖人のりっぱな道も学ばなければそのよさがわからないことのたとえ。まず実践することの必要を教えたもの。また、大人物も実際に用いなければその器量を知ることができないことのたとえ。
4.鳳凰群鶏と食を争わず。
(ほうおうぐんけいとしょくをあらそわず)
鳥の王者である鳳凰は、鶏の群れに交じって食べ物を争うようなことはしない意から、孤高を貫き俗界を超越しているということ。
5.蓑作る人は笠を着る。
(みのつくるひとはかさをきる)
蓑を作る人は、作った蓑を全部人に売ってしまって、自分は他人が作った笠をかぶるという意から、自分が作ったものを自分で用いず、他の人がものを用いるということ。
6.風が吹けば桶屋が儲かる。
(かぜがふけばおけやがもうかる)
ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所、物事に影響が及ぶことのたとえ。
7.玉の輿に乗る。
(たまのこしにのる)
女性が冨貴の人に見初められて結婚し、富や地位を得ることのたとえ。
8.武士は食わねど高楊枝。
(ぶしはくわねどたかようじ)
たとえ貧しい境遇にあっても、貧しさを表に出さず気位を高く持って生きるべきだということ。
9.危うきこと累卵の如し。
(あやうきことるいらんのごとし)
非常に不安定で危険な状態にあることのたとえ。「累卵」は、積み重ねた卵のこと。
10.筆を誤りて蠅を作る。
(ふでをあやまりてはえをつくる)
筆をうっかり落としてできてしまった汚れをうまく蠅に書きかえる意より、過ちを巧妙に取り繕って逆に上手に仕上げることのたとえ。
11.虻蜂取らず。
(あぶはちとらず)
二つのものを同時に手に入れようとすると、両方とも得られなくなるということ。欲張ると、何一つ手に入れることができなくなるというたとえ。
12.錐の囊中に処るがごとし。
(きりののうちゅうにおるがごとし)
すぐれた人は、多くの人の中にいても自然とその才能が現れるというたとえ。袋の中にの錐は、その鋭い先端が外に飛び出ることから。
13.磯の鮑の片思い。
(いそのあわびのかたおもい)
自分が一方的に相手のことを好きなこと。片思いをしゃれていうことば。
14.国に諫むる臣あればその国必ず安し。
(くににいさむるしんあるばそのくにかならずやすし)
君主の政治や行為を諫める臣下があれば、その国は安全である。これは会社でも家でも同じである。